「離婚届不受理申出」を出す、2つのメリット 勝手に「元妻」になっていた!を防ぐ手だてに

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気づけば「元妻」となってしまわないために…(写真:タニホ / PIXTA)

いつもの夫婦喧嘩のつもりだった……。東京都在住の主婦・ヨウコさん(30代、仮名)は、「その日」のことを深いため息とともに語りました。

「旦那は毎日残業で深夜帰り。休みの日も寝てるか休日出勤のどちらかで、全然私に構ってくれなかったんです。仕事で疲れてるのは分かってます。でも、うちは子どももいないし、放置されているようで、寂しさはつのっていきます。

1週間前は結婚記念日だったんですけど、その日も午前様で、もちろんプレゼントなんてなし。デリカシーのかけらもない旦那にキレて、『離婚してやる!』と勢いで言ってしまいました。わめく私を尻目に、旦那は無言で寝室へ。その後3日間、お互い一言も口をききませんでした。

でも私も、さすがに言いすぎたな……と反省し、週末に『ごちそう作って仲直りしよ☆』と旦那の好物・ビーフシチューを作るべく、材料を買いにいきました。鼻歌まじりで牛すね肉に手を伸ばしたそのとき、1通のメールが。『俺もうお前と暮らすの無理だわ。離婚届、出してきたから』。目の前が真っ黒になりましたね」

書式さえ整っていれば役所に受理されてしまう

当記事は弁護士ドットコムニュースの提供記事です

夫婦喧嘩のすえ、パートナーに勝手に離婚届を出された……。青天の霹靂とはまさにこのこと。

ヨウコさんのケースは実話をもとに創作したストーリーですが、決してありえないことではないのが恐ろしい話なのです。というのも、離婚届に押す印鑑は三文判ですむうえ、夫婦が揃って役所に出向く必要もありません。つまり、書式さえ整っていれば役所に受理されてしまうため、戸籍上は離婚したことになってしまうのです。

こうなると、撤回するのはとても面倒。家庭裁判所に離婚が無効だとする調停を申し立て、戸籍を訂正しなければならず、手間も時間もかかります。

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