終焉迎える民主党政権 迷走と混迷の3年間 戦後初の政権交代の功罪とは

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党首討論の約1時間後に開かれた民主党の税制調査会では、首相の後見役である藤井裕久会長が「16日は参議院で特例公債法案が通っていない。そんなこと(解散)はありえない話」と述べるなど、突然の解散表明は驚きをもって受け止められた。ただ、15日に国会内で開かれた民主党の代議士会は「真の改革をやれるのは民主党」とすでに戦闘モードに。ともあれ、1カ月後の総選挙に向けて、永田町は一気に走り出した。

期待外れの民主政権

戦後初めて、本格的な政権交代が起き、民主党が政権に就いてから3年2カ月。この間、3人の首相が誕生した。皮肉なことに、06年の自民党・安倍首相以来、ほぼ1年ごとに首相が交代する「慣例」は民主党政権になっても続いている。民主党に寄せる期待が大きかった分、失望と落胆も大きかったというのが多くの国民の実感だろう。

鳩山由紀夫・元首相の沖縄・普天間基地の県外移設発言に始まる外交・安全保障政策の迷走。菅直人・前首相の東日本大震災と福島原発事故における「迷」采配ぶり。政治家のリーダーシップが厳しく問われた3年間だった。

09年のマニフェストでは、予算組み替えや埋蔵金の活用で約17兆円を捻出し、子ども手当や高校実質無償化、高速道路無料化などを実現すると高らかにうたった。しかし、予算の捻出は実現できず、財源の裏付けのない、国債頼みの歳出が膨らみ、むしろ財政は大きく悪化した。

12年度当初予算ベースの国債発行額は税収を上回る44兆円。12年度末の国債残高は1000兆円を超える見通しだ。民主党政権になった09年度以降、国債依存度が約50%、毎年の国債発行額が40兆~50兆円台という状態が常態化している。

民主党は、自民党時代の族議員・官僚主導を批判し、脱官僚・政治主導を志向した。鳩山政権では政策調査会(政調)や事務次官会議、党税制調査会を廃止し、政治主導を図ったが、これも政権途中で機能不全があらわになり、それぞれ復活させざるをえなかった。税制改正やTPPなど、賛否の分かれる重要政策では、下半身(党)が上半身(政府)を振り回す迷走がたびたび起き、民主党の「決められない政治」ぶりは目を覆わんばかりだった。

自民党時代から長く続くデフレ経済も、今のところ出口は見えない。消費者物価上昇率は徐々に水面上に顔を見せようとしているが、7~9月の実質GDP成長率はマイナス0・9%に落ち込み、ここへ来て経済の失速懸念も強まっている。

原発再稼働を決められず、化石燃料の輸入が増えたことが響き、9月の経常収支は1996年以来初の赤字に転落。金融政策では、日本銀行の政策決定会合に大臣自らが乗り込むなど、パフォーマンス政治が目立ったのも民主党政権の特徴だ。

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