参院選当落予想!首都圏は番狂わせも多発か 北関東・東京・南関東の8選挙区を占う

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1998年に民主党が結成されて以来、6回の参院選で自民党と民主党が2議席を分け合う状態が続いている。「議席が固定的になってはならない」と危惧する声もあるが、いまの構造を打ち破るような有力候補が別の政党から出る様子もなく、棲み分けは当分続くと思われる。

栃木・旧みんなの党の票20万はどこへ行くか

栃木は現職で元文科政務官の上野通子参院議員と野党統一候補で元NHK宇都宮支局長の田野辺隆男氏の事実上の一騎打ち。民主党(当時)は当初、2013年の参院選で旧みんなの党から出馬し、20万1895票を獲得した沖直美氏を推薦候補として擁立した。しかし沖氏は途中で辞退し、代わりに白羽の矢が当たったのが、昨年末にNHKを退職して無所属で出馬準備をしていた田野辺氏だ。ちなみに田野辺氏の父親の光男は、芳賀町長や県議会議長を歴任している。

注目は、20万票とも言われる「旧みんなの党の票」の行方だ。長らく栃木3区で当選を続けてきた渡辺喜美みんなの党元代表は2014年の衆院選で落選。渡辺氏は次期参院選ではおおさか維新の会から比例区で出馬すると発表されたが、解散総選挙があれば、再度衆院栃木3区から復活を狙うとされている。

渡辺氏の甥の渡辺美知太郎参院議員は自民党会派入り。上野氏を応援することを表明している。

群馬は福田赳夫・康夫、中曽根康弘、小渕恵三など首相を輩出した有数の保守王国。中曽根元首相の長男である中曽根弘文参院議員の6回目の当選も、確実の模様だ。

ただ唯一の懸念は3代目の康隆氏のこと。康隆氏は「家業」の政治家になるべく、父・弘文氏の秘書を務めているが、そのきっかけがなかなかつかめない。

女性スキャンダルで地元県議団から総スカンを喰った佐田玄一郎氏の衆院群馬1区も、北関東ブロック選出の尾身朝子衆院議員に奪われた。康隆氏の群馬1区擁立に強硬に反対したひとりである山本一太参院議員は、その理由について「7つしかない群馬県の国会議員の選挙区の議席を同時期に親子で占めるという状況は極力避けるべき」とブログで述べている。

確かに福田家にしても小渕家にしても、親子が同時に国会議員であったことはない。2世である山本氏にしても参院議員になったのは、父の富雄氏が亡くなった後だった。

ただ中曽根家だけは、康弘氏が首相であった1986年の参院選で弘文氏が当選して以来、小泉純一郎首相(当時)が2003年に定年制を導入して康弘氏に引導を渡すまでの17年間、親子で国会議員を務めていた。

では康隆氏が弘文氏の後を継ぐとすれば、それはいつになるのか。「北関東ブロック終身1位」を自民党から約束されていた祖父の康弘氏は85歳で引退を余儀なくされた時もなお十分にやる気を見せていたが、弘文氏は6年後には76歳、12年後には82歳で、父親が政界を引退した年齢にはまだ足りない。

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