KITTE博多は、街の「欠点」を熟慮した新名所だ

九州初出店は21店、多言語化はもう当たり前

館長の立原英樹さんと副館長の伏間江千穂さん。KITTEのシンボルとして誕生した「エンジェルポスト」と一緒に

一方、福岡大学にとっても博多駅にサテライトを置く意義があった。4年後に博多駅まで延伸される地下鉄七隈線沿線にある大学としては、学生や患者を誘致する意味においても、博多との結びつきがますます重要となる。両者のニーズが合致して、このクリニックが生まれたのだ。

自他共に認める「アジアのゲートウェイ」である福岡市。特に九州交通の要である博多駅には、多くの外国人観光客も訪れる。

福岡で今いちばん熱い話題である「インバウンド」対策について聞いてみると、「特にこれ、ということではないんですが、『誰にでも』というコンセプトに沿って、インフォメーションには常時4カ国語での対応ができるようスタッフを配置しています」と立原さん。福岡では、もはや多言語化は「当たり前のこと」として取り組む段階に入っていくのだろう。

ビル内には食糧や毛布、簡易トイレをストック

九州初出店や新業態の店舗も多数

今回KITTE博多に生まれ変わった博多郵便局以外にも、福岡の都心部には老朽化が進み、更新期を迎えているビルが多数ある。そこで市は、都心部の機能強化と魅力づくりを推進することを目的に、2008年に「福岡市都心部機能更新誘導方策」を制定。安全・安心や環境、賑わいの創出などの視点から、官民連携で街の機能を高めていくというものだ。

KITTE博多は、その適用第一号の開発計画でもある。具体的には、「街の回遊性を高める歩行者ネットワークの形成」「バス停付近の混雑緩和を目的としたセットバック」「災害時の帰宅困難者対策」などを意識した施設作りが成されているのだ。

「災害時に鉄道やバスが止まった場合に一時避難いただける空間を地下の広場に確保し、ビル内には食糧や毛布、簡易トイレ等をストックしています。行政や地元の意見を取り入れながら開発計画を進めましたが、その中で東日本大震災や福岡西方沖地震の経験を踏まえ、このビルでできることを考え、積極的に提案しました」(立原さん)

また、歩行者が安心して通行できるよう、1・2階の店舗外側は閉店後も照明を残しているという。以前は郵便局と古い建物が並ぶ薄暗いエリアだったが、4月27日には隣に「JRJP博多ビル」(日本郵便とJR九州の共同事業)も開業し、夜でも明るく「安心して歩ける通り」に生まれ変わった。

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