KITTE博多は、街の「欠点」を熟慮した新名所だ 九州初出店は21店、多言語化はもう当たり前
交通や観光の基点であると同時に、駅周辺には約30万人が働くオフィス街も広がる。そんなそれぞれに違った目的を持つ人たちが集まる場所だからこそ、テナント選定は「誰でも、気軽に、毎日でも」をテーマに、駅ビル内よりもちょっとカジュアルでリーズナブル、バラエティに富んだラインナップを目指したという。
新しモノ好きの福岡人にとってうれしいのが、「九州初出店」となる21店舗。観光やビジネスなどで県外から訪れる人には、もつ鍋やラーメン等の福岡名物が味わえる「地元の人気店」16店舗が人気を集めそうだ。周辺で働く人にとっては、ランチや仕事帰りの一杯の選択肢が増えるという点もポイントが高い。
「レストランだけで30店舗ありますから、ほとんどのジャンルが揃っていると思います。飽きずに、選ぶ楽しみも味わっていただけるのではないでしょうか」と、副館長の伏間江千穂さんは胸を張る。
複数の診療科が一括で入居
1~7階は中核テナントである百貨店『マルイ』。事前に行った調査で、地元からの誘致要望がいちばん高かったのがマルイだった。
「知名度では高島屋さんや伊勢丹さんのほうが高かったのですが、実際に来てほしいとなるとマルイさんがいちばんでした。博多駅にはすでに、ちょっと高級なイメージの阪急さんがあるので、もう少しリーズナブルでカジュアルなものが求められていたのでしょう。総合的に判断しましたが、地元のみなさんの声に後押しされた形です」(立原さん)
また、ビル内に大学病院のサテライトクリニックを開設したことも特徴と言えるだろう。
「実は博多は、福岡のオフィスビルのうち3~4割が集まっている場所にも関わらず、病院が少ないんです。これだけの人が集まる場所ですから、商業施設の中に病院があってもいいのではないかと」と立原さん。これもやはり「博多に足りないものを集める」というコンセプトどおりだ。
しかし、各科のクリニックを個別に集めるとなると、日本郵便にはノウハウがない。そこで大学病院との連携の話が持ち上がった。福岡大学は地元でも知名度があり、複数の診療科が一括で入居するとなれば、訪れる顧客にとってもメリットは大きい。
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