中国ではTwitterさえも世論操作のツール

ネットから見える反日デモの実態

中国では、高卒、大卒以上は依然少数派ですが、その9割以上がネットユーザーで、ネット上の多数派を占めています。つまり、社会の中枢にいる最も影響力のある層がネットを支配しているのです。その3分の2がウェイボーのユーザーですから、実際にそうしたツールとしての機能を果たせるのです。

端的に言えば、ネットユーザーは知的レベルが高い。一方、反日デモや焼き討ちをしている人は小学校や中学校を卒業して、そのまま社会に出た人が多いのです。ネットユーザーの間では、「彼らはぼくらとは違うグループの人間。素晴らしい中国国民ではない」と冷ややかに見ている人が大半なのです。

ネットユーザーは冷静で、反日のキーワードはそれほどリツイートされなかったにもかかわらず、なぜか9月17日までネット上は「抗日」一色でした。ウェイボーや掲示板、ポータルサイトの画面トップに表示される注目の話題にはずっと「抗日」を煽るような話題が出続けていました。

それを眺めていると、あたかも中国のすべての人が反日デモをしているかのように思えてきますが、実際のウェイボーでのキーワード推移では、ちっとも盛り上がりを見せていない。

これはどういうことでしょうか?

中国は60年前から〝ソーシャルネットワーク〟

答えを言えば、実際には多くないものを多いように見せているのです。一説によると、ウェイボーの運営側は、1万人単位からなる常時監視体制を構築し、自主統制しているといいます。この背景にも、政府からの有言無言の圧力が見え隠れします。

人民日報(中国共産党中央委員会の機関紙)を始め、地方政府の多くも公式ウェイボーを運営しています。様々なレベルの政府機関が書き込むと、どんどんリツイートされて広がっていく。政府はPR会社を使って数十万人の人に書き込ませているという噂もまことしやかに囁かれています。

さらにPR会社の下にはネットユーザーを束ねるリーダーが数百人レベルついており、そのリーダーがそれぞれ更に100人ぐらいを束ねている。彼らがウェイボーやBBSに1つ書き込むと5角、日本円で6円もらえるらしいので、ネット上では「5毛党」などと呼ばれていたりします。

今、世の中では「ソーシャルネットワーク」の威力があちこちで語られていますが、中国はそれを60年前からやっているのです。いや、「ソーシャリャリズム(社会主義)ネットワーク」と呼ぶべきでしょうか。

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