【株式・大引け】日経平均は小幅反発 米国株下落、アジア株軟調だが、割安感

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14日の東京株式市場は小幅反発。日経平均株価の終値は前日比3円68銭高の8664円73銭と8営業日ぶりに小幅反発。一方、TOPIXは同0.15ポ イント安の722.41と5営業日連続のマイナスで引けた。このところの株価下落基調を受けて買い戻しの動きも見られたものの、世界景気の先行き不透明感 が根強いため上値は重く、売買も薄商いだった。

買い戻しの動きもみられたものの、世界景気の先行き不透明感が根強く、オバマ政権の富裕層向け減税の打ち切りなど「財政の崖」を嫌い前日の米国株がNYダウで58ドル安の1万2756ドルとなるなど軒並み下落したこと、さらに上海などアジア株が総じて軟調だったことで、東京市場は後場も鈍い値動きで終始した。

本日の日経平均は、前日の米国株の下落を受け78銭安で始まった。直後には7円安まで下げたが、材料の出た銘柄や内需関連に買いが集まり11時22分には19円高となる8680円まで上昇。これが本日の高値。その後、やや下げて9円高で前場を終えた。

昼のバスケット取引は123億円成立し、売り買い均衡と伝えられた。後場は前日比67銭安で始まったが、アジア株が総じて軟調だったことから下げ幅を拡大し、13時39分には再び7円安の8653円まで突っ込んだ。これが本日の安値。その後は、割安感の台頭のなかで、総選挙後をにらんだ内需関連株や材料の出た銘柄に買いが集まり、3円高で本日の取引を終えた。

米国のいわゆる「財政の崖」問題や、欧州の債務不安、中国の景気減速といった外部環境の悪化が日本経済にも波及するという懸念などから、投資家のリスク回避志向が強まっており、積極的な買いにつながらなかった。

東証1部の値上がり銘柄数は759(全体の45%)、値下がりは740(同43.8%)。186銘柄が変わらずだった。東証33業種別にみると、上昇はアイフルが急騰したその他金融(上昇率2.18%)を筆頭に不動産、金属、証券、その他製品、建設など16業種。一方、下落は17業種でワーストは非鉄(下落率1.59%)、これにゴム、繊維、石油、鉄鋼が続いた。

個別銘柄では13日に発表した上期決算が好調だったアイフルが出来高を伴って急騰。インテルによる融資や社債買取が伝えられたシャープも大きく上昇。出来高も多かった。証券会社の投資判断の見直しのあったリンナイやカプコンの上昇も目立った。相場全体の上昇を牽引したのは、KDDIとソフトバンク。ほかに、総選挙後、自民党政権になれば財政投融資を増やすのではとの観測から、不動産や建設など内需関連株でも上昇が目立った。

割安感の台頭が顕著で、昨日時点で東証1部銘柄の平均PBRは0.89倍。1倍割れ銘柄は72%に達している。ほかに好材料としては、中国で本格的な景気対策が打たれてくる点。また、国内の政局も年内解散の可能性も高まっており、財政投融資の拡大に期待する声も多い。一方で、米国の「財政の崖」は引き続き大きな重しとなっている。懸案の8つの緊縮政策を打てば、GDPを4%押し下げるインパクトになるとの試算も出て、米国株の軟調が続くとの見通しもあり、日本株の上値を重くしているようだ。

山内 哲夫 東洋経済 記者

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やまうち てつお / Tetsuo Yamauchi

SI、クラウドサービスなどの業界を担当。

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