初公開!私鉄の「駅待合室」設置率ランキング

乗客の利便性測る新指標、トップは京王電鉄

しかし、京王のように待合室設置に熱心な会社ばかりではない。ある鉄道会社では、運転扱いの係員のための冷暖房完備の詰所をホームに設けているにもかかわらず、利用客のための待合室が設置されていない駅も散見される。確かに、長時間にわたってホームに詰める係員の健康を守るために詰所は必要であるが、ホームで列車を待つ利用客にも同様の配慮(待合室)が欲しいものである。

待合室の活用方法は列車を待つことだけに留まらない。鉄道駅からさらにバスに乗り換える際の待ち合わせや駅に迎えにくる家族等を待つ際にも、快適に時間を過ごすことができる。

2015年度は着席保証列車の運行拡大が大きな注目を浴びた。大手私鉄は少子高齢化による定期収入の減少に危機感を抱き始めており、特急料金収入などの追加料金や、駅ナカビジネス等の関連事業で収益確保に努めている。着席ニーズに応えることは、鉄道会社の収益確保と顧客満足度の向上の両立につながり、駅ナカ店舗は駅利用客への利便性提供に貢献する。

広告や店舗併設で収益生む施設に変える

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快適な待合室は鉄道サービスの標準になるか(写真:nao&ken / PIXTA)

一方、鉄道利用客の満足度は、無料で利用できる施設の充実度によっても大きく左右されるものと考える。待合室は多くが無料であり直接収益を生まないことなどから、後回しにされがちな面がある。

しかしそれならば、待合室を広告塔ととらえることや店舗を併設するなどの施策によって、収益向上に役立つ施設に変えればよいのではないだろうか。

広告付きの待合室として設置費用を賄うことや、月極めで待合室の内・外側に広告を募集して維持コストを生み出すことはどうだろうか。具体的には待合室の内外にディスプレイを設置すれば、広告を流すことで乗降人員の多い駅では高い広告効果が見込める。また、企業は鉄道駅に待合室を設置するスポンサーとなれば、特に寒さが厳しい季節などには、利用客から感謝されることは間違いない。企業のCSR活動の一環として検討に値しよう。

また、乗降人員の多い駅の構内では、駅ナカ店舗の中に無料の待合スペースを設けることも一考に値する。しかも、待合スペース目当てに来た利用客が、商品を購入する副次的効果も期待できる。駅構内やコンコースの待合室内にコーヒーショップや売店などの店舗を併設しているJR東海道新幹線東京駅、品川駅、および静岡駅などの同線主要駅、JR長崎本線長崎駅などの事例も参考になる。

スポンサー募集などで待合室の設置費用や維持費用を抑えるとともに、駅ナカビジネスとの連携により待合室を収益施設へと変えることができる。待合室を鉄道サービスの標準とする、鉄道会社の知恵と工夫に期待したい。

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