ダメンズ確定!在原業平の破天荒すぎる恋愛 平安のゴシップ誌「伊勢物語」の和歌は強烈だ

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待ちわびたりけるに、いとねむごろに言ひける人に、「今宵あはむ」と契りたりけるに、この男来たりけり。
【イザ流圧倒的意訳】
待って待って待ちわびて、本気で口説いていた人がいたので、女は心を決めて、「今夜はあなたの妻になるわ」と約束を交わした。しかし、ちょうどその夜に、オトコが帰ってきちゃった…。

 

ええええええっ!よりによって、その当日、家を出てからキッカリ3年経ったその夜に夫がふらりと帰ってくるではないか!作者未詳よ、いくら何でもそれはタイミングが悪すぎる!!

恐ろしすぎる修羅場へと発展!

注釈をみると、夫が家を出て消息不明の場合、子供がいれば5年、子供がいなければ3年経つと妻が再婚できるという法令があったようだ。だからこそ「3年」というのは大事なポイントなわけだ。

男どもが断りなしにわんさわんさと忍び入ったり、隙間があれば覗いたりしていた平安期なので、3年経たないうちに新しい男性と結ばれたとしても、きっと誰も何とも思わなかっただろう。しかし、「3年」はこの女性にとって必要なけじめだった。一方、期限スレスレに大急ぎで帰ってきた男にとってはギリギリセーフとも言えるが・・・。

しかし、本当の事件はこれからだ。

「この戸開け給へ」とたたきけれど、開けで、歌をなむよみて出だしたりける。
あらたまの三年をまちわびてただ今宵こそ新枕すれ。
【イザ流圧倒的意訳】
「ドアを開けて」と門をたたきながら彼がいうが、開ける代わりに、女が詩を詠んでそれを差し出すだけだ。3年間、何日も何日もずーーーっとあなただけを待ち続けたのよ。でも今夜という今夜に別の人と夫婦になると約束した!もう遅いわっ!
次ページすると夫から信じられない返信が!
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