フェイスブック、テレビCMとの融和を模索中 スマホを好む若者にどうアプローチするか

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長谷川氏は10~20代が消費への入り口を迎える時期(ポイント・オブ・マーケット・エントリー)であり、常にマーケティングが重視する層だ、と語った。「マスを含めて最適なマーケティング予算の配分をしてほしい。ベストなメディアの選択をしてほしい」。

Facebook/インスタグラム・マーケティング・サイエンスリードの小関悠氏は、ニールセンの調査結果などを引用し、Facebookとインスタグラムがテレビ広告と比較して投資利益率(ROI)、パフォーマンスの点で優れていると説明。両プラットフォームの広告を組み合わせる方法がもっとも効果を引き出せると話した。

テレビCMのクリエイティブを「Facebook化」することも提案。Facebook/インスタグラム・クリエイティブストラテジストの田中徹氏は、モバイルの性質上、プラットフォームの利用方法が異なテレビ広告とは必要なクリエイティブが異なると説明した。多額の制作費を費やしたテレビCMをFacebook用に再資源化することを奨めた。

こちらの記事で触れたとおり、米国ではクロスデバイスのキャンペーンは必要不可欠だ。ケーブルカットと言われる、解約に頭を悩ませるテレビ事業者は今秋から、取引を自動化し、オーディエンスデータとともに在庫を販売する「プログラマティックTV」に足を踏み入れようとしている。これにより、テレビとデジタルのキャンペーンが馴染みやすくなる。デジタル広告の出稿先としてモバイルは最重要。そのモバイル広告市場で存在感が大きいのが、GoogleとFacebookだ。特に二社はモバイル広告では他社を大きく突き放しており、デジタル広告全体よりも強い寡占傾向を示している(これは将来的によりデジタル広告の寡占傾向が強まる予兆かもしれない)。

音部氏「モバイルでの情報収集は重要」

イベントには日本を代表する消費財メーカー、資生堂ジャパン執行役員・マーケティング本部長(CMO)の音部大輔氏も登場。音部氏はデジタル施策のトライアンドエラーが続く環境下で、「デジタル施策を採用する」という手段が、「とにかく何かデジタル施策をやっておかなくてはいけない」という形で目的化することに警鐘をならした(詳しくはこちらの音部氏のDIGIDAYへの寄稿を参照してほしい)。

音部氏はモバイルが直接的に購買に繋がるか、には自信を示さなかったが、消費者がモバイルでの商品に関して情報収集することは、ブランドに極めて重要なものになっていると指摘した。企業、メディアではなく、ユーザーが生んだ情報が態度変容を促す可能性があることに言及し、モバイルというデバイスの特性や消費者の状況に沿ったメッセージが大事だと話した。消費財ブランドにとってテレビCMと店頭営業の合わせ技が結果を生む限りは、必ずしも方法を変える必要はないと語ったが、一方で、消費者のおぼろげな欲求にフィットするメッセージを送ることのできる、デジタルメディアがあればいいとも語り、「たぶん新しいことが来ているので実験するのも手だ」と話した。

米国では、Facebookはテレビと類似した指標でバイイング(買い付け)できる仕組みを立ち上げている。クロスデバイスキャンペーンの出稿先として、デジタルデバイス側での地位を固めることが、デジタル広告市場の重要な競争のポイントになっていることのしるしだ。

(Written by 吉田拓史)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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