「建設業は給料が低い、全体で改善すべきだ」 清水建設・井上新社長の生き残り戦略とは?
――業界全体が活況で最高益が続出しそうだ。今後の見通しは?
業績がよくなったところで社長を引き継いだが、今後は今までと同じように伸びていくとは言い切れない。営業利益率にしても、今の水準を確保できる体制で、体力を蓄えて利益を上げるように進めていきたい。
案件の数で勝負できれば良いが、われわれは単品生産なのでそうはいかない。きちんとした仕事をして利益をいただき、社会に貢献することが誠意だと思う。
全産業の営業利益率を見ると、建設業はつい最近まで下から数えた方が早かった。あれだけ多くの人が汗水流して大変な思いでものづくりをして、この利益率はないだろうと思うのは私だけではない。最低でも5%は確保できるような産業でありたい。
開発事業は「けんかしない程度」に
――井上社長の役目は何か?
一番やりたいのは、本業の建設事業。これがすべての源泉だから、品質と安全の確保を進める。間違いのない施工と品質、安全に仕事ができる点について、しっかり目を向けていきたい。
不動産関係を中心とした投資開発事業も、だいぶ収益に貢献するようになっているので、この幹は太くしたい。われわれは建設部門を持つデベロッパーでもあり、その強みを生かしていく。(本業の顧客である)デベロッパーと競合するが、けんかしない程度に共存させていただく。
――横浜にも賃貸オフィスビルを建設する。投資開発を建設事業に次ぐ収益柱に伸ばしていく考えは?
みなとみらい地区は、前にも一つオフィスビルを手がけている。エリアのポテンシャルや、進出を模索する企業の情報は把握している。環境面の配慮や耐震・免震、使い勝手の良さなど、高付加価値のものを低価格でつくり、収益性を上げていきたい。
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