日本株が5月以降も上がるための条件とは? 「NYが高いと東京も高くなる」わけではない

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現在、NYダウは1万8000ドル近辺にあり、2015年5月の史上最高値1万8312ドルも視野に入ってきましたが、もし今の連動性が弱いままであれば、今後「日経平均がニューヨークの高騰を好感してツレ高する」という期待はあまり持たない方がよさそうです。

日経平均は4月末に1万7233円を上回れるか

さて、最後にもう一つのチャートを見てください。これは筆者が考案した「Kチャート」です。

簡単に言いますと、過去のトレンドが続いている間は、上下(ピンクと水色)の帯の間で株価が推移しますが、トレンドが大きく反転する場面では、帯の間から連続して逸脱するので株価が動くシグナルとなります(少し説明しますと、過去のトレンドが継続していると考えた場合に、値が分布する許容範囲を図示したものがKチャートです)。

下の雲の下端から上の雲の上端までの間に95%が、上下の雲に挟まれた中央の範囲には75%が入るように計算されています(難しいと思った方は、この部分は読み飛ばしても構いません)。

Kチャートで足元の日経平均株価の月足を見るとおわかりのように、下値圏(水色の帯)から浮上する陽線となっています。もし4月末に現在程度以上の水準で終わるようなら、今後、回帰値(中央の緑色の実線)へ向かって上昇する可能性が高いことが示唆されます。

NPO法人の日本テクニカルアナリスト協会が、基礎編に続く「初級編①」を発刊。無料で配布しています。

特に、3月高値1万7233円を上回る水準で終わるようなら、その可能性が高くなります。なお、回帰値の水準は現在1万8260円ですが下降しつつあり、上昇に時間がかかると目標値は下がることになります。

反対に、3月の終値1万6758円を明確に下回る水準で終わるようなら、下値模索を続ける可能性が高まりそうです。その場合は、もう一度下値を試す展開となる可能性があり、日経平均は、紺色の実線、現在1万5226円(ボリンジャーバンド*の-2σの値)に到達する可能性も出てくるので、注意が必要です(*ボリンジャーバンド=米国のJ.ボリンジャーが考案したテクニカル指標。平均値±標準偏差の2倍以内にデータが入る確率は約95%)。

さて、私が所属している非営利の団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では、「テクニカル分析について学びたい」という読者の方々のためにハンドブック(初級編①)を作成しました。前回大好評をいただいた基礎編に続く冊子です。無料で配布しておりますので、興味のある方は、NTAAのHPからぜひお申し込みください。なお、基礎編とあわせて2冊申し込むことも可能です。

古城 鶴也 国際テクニカルアナリスト

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こじょう かくや / Kakuya Kojo

日本テクニカルアナリスト協会常務理事。証券会社のファンダメンタル・アナリストとして約20年勤務。投資顧問会社へ出向・復帰後、経営企画部門、市場部門、自己運用部門などの部長を歴任。損害保険会社の財務部を経て2015年から同協会事務局。独自考案のKチャートによる市場分析で定評。セミナー講師、大学公開講座講師などを務める。

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