米国では、なぜ自殺率が増え続けているのか

10~14歳女性の自殺数は30年で3倍に

今回の報告書では、白人の米国人が厳しい状況にあることが改めて浮き彫りになった。最近の別の研究では、特に高卒以下の学歴の白人の間で薬物の過剰摂取や自殺、肝疾患、アルコール中毒による死亡が急増していることが確認されている。今回の自殺率の統計では学歴別のデータはないが、年齢層と人種別の傾向はこの研究結果と一致しており、米国社会に広がる絶望感が実態として表れていると、研究者たちは指摘している。

「これは貧困と絶望、健康との間に関係があることを示す兆候のひとつだ」と、ハーバード大学の公共政策教授ロバート・パットナムは言う。

自殺方法にも変化

自殺を防ぐための取り組みにはばらつきがあると、政策立案者は言う。自殺願望を調査したり優良な対策プログラムを実施している病院や医療制度も存在するが、ごくわずかだ。

「有効な対策の導入は進んでいるが、それらがより、体系的に活用されるよう医療制度に組み込む方法を見つける必要がある」と、国立精神衛生研究所で自殺に関する研究協議会を率いるジェーン・ピアソンは言う。「断片的な策は見つかっているが、それらをつなぎ合わせることができていない」

ピアソンによれば、国立衛生研究所(NIH)の自殺防止策への資金は横ばい傾向だが(2016年は2500万ドルで、2012年の2200万ドルから増加している)、うつ病などの気分障害を含む精神疾患の研究に充てられるのはそのごく一部だ。

今回の政府の統計では、自殺の方法が変化していることも明らかになった。2014年に自殺した人の4人に1人は首吊りや頸部圧迫などの窒息死によるもので、1999年は5人に1人だった。窒息による自殺の防止が困難なのは、誰にとっても実行可能な手段だからだと、ロバート・ウッド・ジョンソン財団のヘムステッドは言う。銃による自殺は男女ともに減り、女性は37%から31%に、男性は62%から55%になった。

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