女性の労働参加促進で成長率は上がる

IMFエコノミストの提言

 

二つ目のハードルが、家庭内の役割分担だ。日本では、女性が出産を機に退職する事例が多い。第一子の出産後に約60%が職場を去る。このような傾向は、ほかの先進国ではみられない。

北欧の多くの国々では、政策が女性の労働参加率の向上をもたらした。スウェーデンでは父親と母親の双方に対し、子どもが8歳になるまで時短勤務を認めており、育児にかかる支出にも多くの補助金を出している。その結果、出産後の女性の90%以上が、出産前と同じ職場に復帰している。オランダでは、1年ごとに労働時間を見直すことが可能だ。パートタイムの場合もフルタイムと同等の福利厚生や雇用の保護が設定されているため、パートタイムで働く女性の割合は高い。
一般に、女性の一人当たりの子供の数と、女性の労働参加率の高さは逆相関にあるのではないかと予測されがちだが、必ずしもそうではない。実際、北欧諸国など女性の労働参加率の高い国は、そうでない国に比べて、女性ひとり当たりの子どもの数が多い傾向にある。移民を多く受け入れている国を除けば、その傾向はより顕著となる(図4)。

 

 

 

日本が女性の労働参加率を高めるには、二つの改革が必要だ。一つ目が、ロールモデルを育成し、女性のキャリア形成を促進すること。二つ目が、柔軟な働き方を認め、働く女性への支援を充実させることだ。
また、年収103万円以下で受けられる配偶者控除は、年収をこの範囲に抑えようとして、多くの主婦がフルタイムよりパートタイムを好む結果につながり、女性の労働参加を増加させる上で障壁となっている。こうした旧来の税制の見直しも重要となるだろう。 
女性の労働参加率を向上させることは、男女平等の推進だけでなく、高齢化が進展する中で、日本の経済成長率を維持するために有意義だといえる。(談)

(聞き手、構成:小河真与=東洋経済オンライン)

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