吹かぬ追い風 政権復帰への自信と不安 落選、新人候補の今

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単なる観念的な保守からリアリズムのある保守に引き戻し、世の中のニーズに合った、必要なことが提示できる党に近代化できないと、「次回はよくても4年後の総選挙はしんどい」と鈴木氏は懸念する。

東京電力の福島第一原子力発電所の事故の後遺症で、今も低放射線被害に苦しむ福島県郡山市。「いくら陳情しても反応は遅いし、具体的に返ってこないとの声をよく聞く。大震災があったから、いかに政治が必要か自分で体感している。具体的にこうしろと各中央省庁を動かす力が震災の場合は求められた」。そう語るのは、福島2区の根本匠氏(61)だ。

根本氏は建設省を経て1993年に初出馬で衆議院議員に当選。その後、当選5回を重ねた中堅政治家だ。今回総裁選に出馬した石原伸晃代議士らとともに、社会保障や経済政策に精通する「政策新人類」として活躍したが、09年総選挙では、民主党の太田和美氏に約2万票差で敗れた。

持論は「政治は人が動かす」。「公の意識を持って活動している青年団や消防団ら、地域のリーダーに支えられてきた政党が自民党だった。ところが、今はメディアポリティクス。志のある人に市町村議員選や県会議員選にぜひ出てもらいたい。本来の志の高い政党政治を取り戻したい」。苦汁をなめた候補者だけに、当選まで心が休まる暇はなさそうだ。

(週刊東洋経済2012年10月20日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

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