吹かぬ追い風 政権復帰への自信と不安 落選、新人候補の今

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民主党の海江田万里、元自民党の与謝野馨の両氏が長らく争った屈指の激戦区、東京1区。千代田区や新宿区などをまたぐ同区で支部長となったのが、山田美樹氏(38)だ。経済産業省に9年間勤めた後、外資系経営コンサルタント会社など民間企業に7年間勤務し、10年秋に自民党・東京都連の公募に応募した。

与謝野氏は引退表明したものの、東京1区は長らくベテラン政治家の牙城だった。そうした選挙区事情とは別に、山田氏の政治家転身の動機は簡明だ。民間企業で感じた「官と民のギャップ」である。「民間で働き、スピード、コスト感覚、顧客視点の三つで、官との違いを実感した。行政自らその差を埋めるのは難しいが、政治の力なら変えられる」。

公募の選考では、財政再建や社会保障のニーズに応えるため、「いちばん大事なのは成長戦略」と訴えた。

民間企業での経験から、日本は税制や規制、言葉の壁のために、グローバルビジネスにおいて極めて不利な立場にあると認識している。しかし、「政治の場には、ビジネスの最前線で競争にさらされ、日本の競争力の源を実感として知っている若い人が少ない。若年世代の声を自分が届けたい」。注目の東京1区で山田氏が当選を果たせば、自民党の世代交代を印象づけるだろう。

企業城下町が広がる茨城県日立市。同市を含む茨城5区から立候補を予定しているのが、石川昭政氏(40)だ。もともとは自民党本部の職員。地元の茨城5区が民主党の支持団体、電機労連の牙城であったため、あえて「地盤・看板・カバンなし」の状況で公募に挑み、支部長に就いた。

「私の選挙区では民主党が強いが、手応えはある。(小泉ブームのときと異なり)今回はあえて野党の自民党から出馬する新人候補が増えており、本気度が違う」と語る。

 

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