吹かぬ追い風 政権復帰への自信と不安 落選、新人候補の今

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若者や女性の支持を広げるため、駅前演説のほか、支持者の妻やその友人に声をかけ、「ミニ集会」を開いている。「利益団体に乗っかる政治家は、利益誘導型になりがち。新人の私にはそうした団体は寄ってこず、草の根運動が中心。点と点から網の目状に支持者を広げたい」。ゼロから200人規模の支援者を集め、10月に後援会も発足させた。

自民党が下野して3年間、有権者の視線の移り変わりを最も身にしみて感じたのが、落選議員たちだろう。東京22区(調布市や三鷹市など)が地盤の伊藤達也・前代議士は、安倍総裁の誕生に強い追い風を感じている。

伊藤氏は、構造改革を政策の柱とする「上げ潮派」として名を馳せ、小泉政権では金融担当の特命大臣、福田政権では社会保障担当の内閣総理大臣補佐官を務めたベテランだ。「安倍総裁になって、経済政策や公務員制度改革、道州制導入による地域活性化などが大きく期待できるようになった」と笑顔で話す。

安倍氏の側近である菅義偉氏の幹事長代行就任など、党内人事を見ても上げ潮派の勢いを感じるという。「甘利明政務調査会長は『骨太2006』(構造改革型の経済財政改革方針)の策定で最も汗をかいた人。鴨下一郎幹事長代理も国のバランスシート改革で一緒に戦った仲間だ」。

総選挙近しとなった今夏以降は地元活動に専念するため、年間100回ペースだった全国講演は休止。朝の街頭演説や地域回り、ITやモノづくり関連の若年世代との朝食会・会議に精を出す。「前回の衆院選では、街頭に立っても自民党に対する圧倒的な批判で、有権者に聞く耳すら持ってもらえなかった」と振り返る。

「上げ潮派と維新の会は政策のブレーンや方向感がほとんど同じで、自民党と維新の会は連携の余地がある」と伊藤氏。自民党内の勢力図に変化が出てきたことで、次期総選挙への勢いを感じている。

 

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