トランプ人気支える華麗なる「愛娘」の正体 物議を醸す父親が溺愛する冷静な経営者

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今も「何をいくらで買収するか」という最終的な決定権は父が握っているが、ほぼすべての大型案件で交渉を行っているのはイヴァンカだ。

「私は非常に娘を信頼している」とトランプはあるインタビューで述べている。「娘は不動産についても政治についてもすばらしい勘の持ち主だ」。

トランプ・タワーでのインタビューで、イヴァンカはこう述べた。「世間の人々はジェンダーの見地から『お父さんは女性についてこう述べているが』と私に質問してくる。だから私は『父が男性についてどう言っているか考えたことはありますか? なぜ私たちの性だけ違う扱い方をするんですか?』と」。

父の出馬でとばっちりも

彼女はトランプの大統領選出馬に対し揺るぎない支持を寄せているが、その一方で父が共和党の候補指名レースのトップとなったことでとばっちりも受けている。

あえて対立をあおるような父の選挙運動は、彼女が兄弟と順調に経営している不動産業に長期的な悪影響を残しかねない。すでに、ワシントンの新しいホテルに出店するはずだったスペイン料理レストランのシェフが、トランプの不法移民への蔑視発言に反発して計画を取りやめたという例もある。

彼女はまた、自分のブランドも守らなければならない。父の具体的な政策を支持することは避け、称賛する際は大まかな表現にとどめている。ビジネスウーマンとしての自分と、トランプの愛娘という2つの立場の間でバランスを取るよう努めているのだ。

「否定的な人たちもいるけれど」とイヴァンカは語った。「父の言葉に深く感銘を受け、父を信頼し愛してくれる米国人のほうがずっとずっと多い」。

(執筆:Jonathan Mahler記者、翻訳:村井裕美)

(c) 2016 New York Times News Service
 

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