トランプ人気支える華麗なる「愛娘」の正体 物議を醸す父親が溺愛する冷静な経営者
親しい友人によれば、イヴァンカはほぼ毎日、父とともに登校していた。帰りも用務員室に置かれた公衆電話から、迎えをよこすよう父に電話をかけていたという。
週末には、トランプはしばしば娘を連れて各地の建設現場を回った。彼女の友人たちも交えて自家用機でパームビーチに飛び、豪邸に泊まってゴルフを楽しむこともあった。8年生(中学2年に相当)が終わると、イヴァンカはコネティカット州の全寮制の学校に転校した。
モデルとしても大成功
ある程度は自立したいと考えた彼女は、小遣い稼ぎも兼ねてモデルの仕事を開始(トランプは2003年、ラジオ司会者のハワード・スターンに対し、『娘のプロポーションは最高だ』とか『娘はモデルとして相当に稼いだ。すごい額だった』と語っている)。
それでも父から大きく離れることはなかった。ジョージタウン大学で2年学んだ後、父の母校であるペンシルベニア大学ウォートン校に移って経営を学んだ。専攻は不動産で、その後トランプ・オーガナイゼーションに入社した。
子供時代の友人タマラ・ゴールドスタインは、2004年夏にイヴァンカと一緒にトランプ・タワーの屋上に立った時のことを覚えている。2人とも大学を出たばかりだった。
「この本物の風景を変えるチャンスを手にしているってすごいことよね」と彼女は語ったという。
年とともにイヴァンカに与えられた責任と権限は大きくなっていった。「以前であれば、(ドナルドは)たくさんの弁護士や社員たちを使っていくつもの取引を進めていたが、実際に何かをする権限を与えられていた者はいなかった。それが彼女によって大きく変わった」と語るのは、不動産投資家のトーマス・バラックだ。バラックは1988年にプラザ・ホテルをトランプに売却して以来、家族ぐるみの付き合いを続けている。