ハリウッド女優を魅了する米大統領候補とは 「セレブ対ヒッピー」で分かれる支持者

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40歳のウォンは、2015年2月に「ピープル・フォー・バーニー」を組織するのに協力した。彼女によると、それはサンダースの選挙運動関連では最大の草の根組織だという。ウォンはボブの髪型で鼻ピアスをし、ブランドもののスリムな黒のジーンズに、花柄プリントのコートを羽織っていた。

「サンダースのニューヨーク特使のような人物が200ドルのジーンズを着ているとわかったら、彼は何と言うだろうか」と尋ねると、ウォンは笑いながら答えた。「正気とは思えない、と言うのでは。でも、かなり長い間、次のジーンズは買わなくて済むとも主張できる。私は自分の階級の特権については、よくわかっている」。

「古巣」にかえってくる人々

だが、サンダースのために有名人の世話をすることは、いまや彼女の仕事の一部となっている。そして、たとえ彼女が女優のクロエ・セヴィニーやナターシャ・リオンといった有名人と親しくても、それは簡単な仕事ではない。セヴィニーもリオンも、まだ公式には支持者を表明していない。

有名人でも、大統領選挙運動の道筋を変えるような力を持つ人は、ほとんどいない。それでも、ハリウッドがクリントンをおおむね温かに受け入れていることは、2008年の状況と対比すると興味深い。2008年には、映画業界関係者がクリントンの長期支持者のリストから大勢抜けていったからだ。

ハリウッド・リポーター誌の編集ディレクター、ジャニス・ミンは、2008年にクリントン陣営から離脱した人々が、古巣に戻ってきたとしても驚かないと話す。「話が核心に近づくと、人は現実的になるものだ」と彼女は言う。「候補者の下には、映画を見に行く聴衆も集まるのだ」。

(執筆:Jacob Bernstein記者、翻訳:東方雅美)
© 2016 New York Times News Service
 

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