ソフトバンクとイー・アクセス統合でつながりやすさは

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さらに、9月19日に「iPhone(アイフォーン)5」発売を目前にした記者会見では、KDDI側が搭載を予定していたテザリング機能の解禁を発表した。テザリングはネットワークに負荷がかかるため、技術担当の幹部が現状の環境では機能付加は不可能だと主張する中で、孫社長は来年1月の機能付加を高らかに宣言。会見場では多くの記者から「何がテザリング機能付加を可能にしたのか」と質問が相次いでいた。

今回の経営統合を後押ししたのがこの「テザリング」だった。孫社長は「2~3年前からイー・アクセスともっと近しくなることを考えていた。腹をくくったのはツイッターなどでKDDIと同様にアイフォーン5でテザリング機能を使いたいというユーザーからの声を受け機能付加を宣言したとき」と背景を語る。

商用化されている中では最先端の通信規格「LTE」を搭載していることがウリのアイフォーン5。しかし、ソフトバンクが巨額投資を進めるプラチナバンド帯は使用できず、すでに混み合っている2.1ギガヘルツ帯の周波数帯しか使用できないとされていた。だが、世界標準の「LTE」は1.7ギガヘルツ帯に対応しており、アイフォーン5でも1.7ギガヘルツ帯の使用が可能だ。


 そこで目をつけたのが、イー・アクセスが使用する1.7ギガヘルツ帯。経営統合によりソフトバンクのLTEよりさらに次世代ユーザーは2.1ギガヘルツ帯と1.7ギガヘルツ帯の双方から電波を受け取ることができるようになるというわけだ。

ソフトバンクは今後、米アップル社に自社で販売するアイフォーン5に1.7ギガヘルツ帯対応を要請するとしておい、すでに販売している分については対応策を検討していく。

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