米軍「歩兵ハイテク化戦略」の気になる中身

失敗続きの情報武装、三度目の正直なるか

国防総省は2007年になってようやくランドウォーリアーを事実上撤回して「ネットウォーリアー」というプログラムを2010年に発動。ウェアラブルコンピューターなどをスマホに切り替えた。今度はスマホ画面に各人の位置が表示され、戦友にテキストメッセージも送れるというものだった。

ランドウォーリアー装備を付けた米兵。  (米軍の公開写真/viaウィキメディアコモン)

しかし、ランドウォーリアー同様、無線通信の遅延により戦友などの位置は正しく表示されなかった。それは耐え難いレベルだった。この装備の調達に数百万ドルを費やした陸軍は今もなお、ネットウォーリアーの欠陥を修正する努力を続けている。

 国防総省がスクワッドXで使用する機器などは未定だが、同省公表のコンセプトを見れば、どのような装備を求めているのか推測はできる。

想像図では、兵士が従来と変わらないように見える自動小銃から、目的を追尾する小型の誘導弾を発射している。自動運転の軍用車や低空で監視を行うドローン、兵士の前方を偵察するヒト型ロボットなども登場する。ただ、これらの兵器は実験が始まったばかり。戦場への配備が可能になるには、あと数年はかかりそうだ。

こうした想像図はまるでSFのようだが、まったく非現実的というわけでもない。第一の課題は装備の軽量化だが、民生用の電話やカメラや無線機やドローンの小型軽量化は日々進んでいるので、少なくともこの点は解決可能だろう。

次の課題はネットウォーリアーでも改善されなかったデータ通信遅延の回避だ。この点については、カバー範囲は狭いものの電力消費は少ないなどの長所を持つ通信機器を採用する方針だ。

ドローンを衛星の代わりに

スクワッドXは、従来とは違い、全地球測位システム(GPS)使用を前提としていない。ロシアや中国、イランなどの各国がすでに、GPSの電波を妨害する技術を持っているため、戦場で無効になる可能性があるからだ。その代わり、ドローンに無線の中継機能を持たせることで兵士やロボットの間の局地的な通信を可能にして、部隊内の連携を強化するとしている。

歩兵のハイテク化で失敗の悲運を重ねた国防総省が「3度目の正直」を望んでいるのは明白だ。DARPAは4月下旬にバージニア州で、スクワッドX向け機器を製造する企業を選定するための会合を開く。前線の部隊に実用性のある新技術を今度こそ配備できるかどうかは、そのうち明らかになる。

デービッド・アックス氏は軍事関連メディア「War Is Boring」の編集者で、ニュースメデイアの「Daily Beast」にも定期的に寄稿している。この記事は同氏個人の見解に基づいている。

 

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