中国でフカヒレ戦争が勃発

サメの保護をめぐり対立

 

ところが、最近になって一部の高級飲食企業がフカヒレに対する態度を変え始めた。南京や西安、杭州などでは、フカヒレを出さない店が出てきている。こうした変化は、姚明の広告をはじめ、民間環境保護活動の力が大きい。

姚明の広告は、国際環境保護団体ワイルドエイドの中国事務所(ワイルドエイド中国)が出したもの。2006年からこの広告を出している。こうした芸能人や企業家の協力で、「フカヒレを食べるのをやめ、サメを保護しよう」という呼びかけが、にわかに注目を集めている。これには、ネット企業アリババグループCEOの馬雲(ジャック・マー)など著名な企業家数百人が「食べない」「贈らない」「自分の行動で周囲に影響を与える」とアピールしたことがある。

ワイルドエイド中国側は、「05年の調査では、フカヒレがサメのヒレだと知らない人が75%いた。10年には56%の人がサメ保護広告を見ており、うち82%がフカヒレを食べるのをやめた、または減らしたと回答した」と話す。

国連食糧農業機関(FAO)などによれば、アジアはフカヒレの最大の市場だ。中でも中国は非常に重要な市場で、塩漬け乾燥フカヒレの輸入量は、00~05年で香港、中国、マカオの順に多かった。うち香港は、世界最大のフカヒレ中継センターで、世界の取引量の50%以上が香港を経由するという。

ある業界関係者によると、一般のレストランが仕入れるフカヒレの価格は500グラムで600~800元、フカヒレスープ1杯のコストは本物なら60元前後という。とはいえ、広州市の業界関係者は「コスト高の一方で、フカヒレが高値で売れず、利益率は5~10%まで下落。取扱量は10年前の1割にも満たない」と嘆く。フカヒレの販売不調には、環境保護活動家の運動も影響したようだ。

 

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