日本の不動産市場は安定している 米大手ファンドCEOに聞く

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--投資を行う場合、具体的にどのような物件に興味を持っているのか?

たとえば、不良債権やCMBS(商業用不動産担保証券)のデット(債務)が期限を迎える中、物件価格が上昇していないので、リファイナンス(借り換え)は難しくなっている。そういう物件に関心を持っている。不動産のファンダメンタルズは改善しているとはいえ、日本にはそうしたディストレス資産(不良資産)は数多く残っている。

日本の不動産賃料は景気循環の中で非常に低い水準になっており、金利も非常に低い。キャップレートはかつてなく高い水準になっている。日本の銀行も不動産に融資したがっている。それゆえ、われわれにとって、日本の不動産市場に投資する好機だと考えている。

--現在、運用中の投資ファンドの状況は?

立ち上げ中の5号ファンドを含め、5本のファンドの実績がある。5号ファンドの規模はエクイティサイズで10億ドル。過去の例でみると、レバレッジをきかせた後のトータルサイズは30~40億ドルだ。ディストレスデット(不良債務)や不良債権ローンに加えて、経営不振の不動産会社などへ投資している。それ以外にも、ディストレスセールされているものに柔軟に投資していきたい。

--金融円滑化法もあり、現在日本の金融環境は非常に緩和的だ。

円滑化法は2013年3月までの時限立法だ。終了時点には、債務過多となっている多くの物件が市場に流れ込んでくるとみている。 

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