日本の不動産市場は安定している 米大手ファンドCEOに聞く
松下電器産業(現パナソニック)系の不動産会社、松下興産への投資などで知られる米国の不動産ファンド大手、エートス・キャピタルが、リーマンショック後、一時凍結していた不動産投資を本格的に再開しようとしている。来日したスコット・ケリーCEOに、今後の戦略や日本の不動産市場の見通しについて聞いた。
--リーマンショック後、エートスはどのようなビジネス活動を行っていたのか。
リーマン後の数年間は、アセットマネジメント部門以外、実質的にほとんど何もしていないのが実情だった。市場のファンダメンタルズが悪化し、不動産価格も厳しく調整される中、積極的な買収活動はほとんど行わなかった。
しかし、この1年間、数件の投資を行った。主に東京圏のオフィスや住宅で、いわゆるベーシックアセットと呼ばれるものだ。キャップレート(期待利回り)が非常に魅力的であり、市場環境も安定しているので、そうした投資が良いと考えた。
--日本の不動産市場の現状をどう見ているか?
日本の不動産市場は非常に大きく、多岐にわたっている。そして、物件タイプや都市ごとに市況の回復度合が異なる。エートスとしては、東京圏や大阪圏、その他の一部地方都市にフォーカスしている。コアとなる物件は、ベーシックアセットであるオフィスや住宅、ホテル、そして一部の商業施設だ。
日本の不動産市場は回復というより、安定の兆しがある。われわれの投資している物件のパフォーマンスは安定度を増している。
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