アップル依存に不安、揺れる部品メーカー、うまみもリスクも大きい両刃の剣

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取引先の分散も

薄型テレビなどデジタル家電が低迷する中、アップル製品は電子部品の出荷数量が見込める数少ない製品だ。アイフォーンの生産台数は全世界で月1000万にも達するとされる。国内トップの富士通が全モデル合計で月産約66万台であるのと比較すると、その存在感は圧倒的だ。

日本の電子部品メーカーは今期、期初計画からアイフォーン5が発売される9月に照準を合わせてきた。アップルが発表したサプライヤーリストに名前が挙がる日本航空電子工業は、スマホなど通信向けのコネクターで今下期は対前年同期比で2・3倍の増収を予定する。

しかしその一方で、電子部品メーカーの間ではアップル依存への警戒感が広がっている。ある部品メーカーの関係者は「アップルの事前注文を受けて製造ラインを準備していたのに、急にキャンセルになったことがある。ほかのメーカーではあまり経験したことがない」と打ち明ける。

アイフォーン5も期待どおりに進むかは不透明だ。液晶パネルなどの基幹部品の調達が遅れたことで、ほかの部品にも影響が及んでいるとみられ、「当初見込んでいた部品受注が遅れている」(大手部品メーカー)との声が上がる。ほかのメーカー関係者も「アップルからの発注が遅れており、当初の生産よりは少なくならざるをえない」と不安顔だ。

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