アップル依存に不安、揺れる部品メーカー、うまみもリスクも大きい両刃の剣

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アップルとは言及していないものの、コネクター製造の第一精工もタブレット端末向け大口案件の失注で、12年12月期の営業利益を当初計画から44億円減額の16億円に下方修正した。小西英樹社長は、その要因を「ある特定の会社の特定の製品向けの受注が見送られた」と決算会見で説明。

そのうえで、「設備投資もすべて自社でリスクが高いという認識はあった。しかし、リターンも大きい。今後は(取引先の)バランスを取って分散していきたい」と、軌道修正を示唆する。

モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤昌司アナリストは「電子部品メーカーにとって、アップルは最先端の部品の大量採用が見込める数少ない顧客。しかし、数量変動が大きく人や設備をどう振り分けるのかが非常に難しい」と指摘する。

大きなうまみと同時にリスクも伴った「両刃の剣」であるアップルとの取引。日の丸電子部品メーカーはジレンマに悩まされている。

(島 大輔 =週刊東洋経済2012年9月22日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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