399ドルのiPhoneSE、原価はたった160ドル 過去3世代の「いいとこ取り」でコスト圧縮

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SEの原価は、前3世代部品の「いいとこ取り」をすることにより、かなり抑制されたとみることができる。IHSの過去の発表によると、発売当時の最安モデルの原価は6sが211.50ドルで、6は約200ドル、5sでは199ドルだった。

iPhone SEの分解説明写真(IHSテクノロジー提供)

IHSはコスト抑制の例として、値が張る部品の1つで、米コーニング製の「ゴリラガラス」を使った画面モジュールの原価が、SEでは20ドルとなった点を挙げている。

電子部品に付きものの加速度的な価格低下を背景に、5sが同部品を最初に搭載した当時と比較し、半分弱にまで下がったという。

16GBと64GBの利益差89ドル

また、アップルにとっては、容量が大きい機種の方がうま味も大きいようだ。SEの64GB機種の一台当たり利益は、16GB機種よりも89ドル多い、とIHSは分析している。

分解対象となったSEの表示画面は、韓国LGディスプレー製だった。アップルはパネルを日本のジャパンディスプレイ(JDI)やシャープも含めた計3社から用立てており、IHSが把握している平均的な調達比率はJDI40%、LG35%、シャープ25%となっている。

ちょうどiPhoneの組立を請け負っている台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)がシャープを子会社化したばかり。今後、この調達比率がどのように変化していくかにも注目が集まりそうだ。

駅 義則 東洋経済オンライン編集部

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えき よしのり / Yoshinori Eki

1965年、山口県生まれ。1988年に時事通信社に入社し、金融や電機・通信などの業界取材を担当した。2006年、米通信社ブルームバーグ・ニュースに移ってIT関連の記者・エディターなどを務めた後、2015年9月に東洋経済オンラインのエディターに。現在の趣味は飼い主のない猫の里親探し

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