復活した冷凍ギョーザ市場、首位固めに動く味の素
冷凍ギョーザをめぐっては、08年に中国の食品会社がギョーザに農薬を混入した「毒入りギョーザ事件」が記憶に新しい。実際、08年度の冷凍ギョーザ店頭市場の売上高は、農薬が混入されたJT子会社以外の他社製品にも大きく影響し、市場全体で前年比約15%減(味の素冷凍食品調べ)と大きく落ち込んだ。
しかし、その後は3年連続の市場拡大を続けており、「消費者からギョーザ事件のイメージはほぼ払拭され、市場は復活基調。国内3工場で生産しており、ギョーザに使う豚肉なども指定農場から調達している」と味の素冷凍食品の日比聡・取締役専務執行役員マーケティング本部長)は語る。
冷凍食品市場が拡大している背景には、東日本大震災以後に高まった内食化もある。これまでは弁当のおかずとして主に使われていた冷凍食品が、近年は「お弁当から食卓に上るようになった。50~60代の高齢層も定着している」(前出の日比氏)と、これまでターゲットでなかった高齢者層にも冷凍食品が浸透しつつあることも追い風だ。
人口減が進み、経済成長が停滞する国内に残された数少ない成長分野。定番ブランドを一段と強化する味の素冷凍食品の首位固めが進みそうだ。
(秦 卓弥 =東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら