パイロットは「空のすばらしさ」を知っている 空を飛ぶことは「つながりを見つける行為」
物心ついてから初めて飛行機に乗った時、それは間違いなく「体験」だった。飛ぶ前はもちろん、離陸した後もしばらくは落ち着かなかった記憶がある。
だが、今やフライトは「移動手段」である。乗った回数はそれほど多くないが、昔のワクワクや不安はすぐになくなり、窮屈さや眠りにくさばかりに目がいくようになった。映画や機内誌などで当たりに出会えればまだマシなのだが、基本的には「はやく着かないかな」とばかり考えている。
空の魅力がたくさん詰まっている
そんな意識を塗り替えてくれたのが本書『グッド・フライト、グッド・ナイト』だ。イギリスの航空会社、ブリティッシュ・エアウェイズのパイロットが空の素晴らしさについて存分に語り尽くした一冊である。
ボーイング747を操縦して世界の空を飛びまわる著者は、ニューヨーク・タイムズなどの複数メディアに定期的に寄稿しているという文才の持ち主でもある。鮮やかに描き出される空の世界には、まだまだ知らない魅力がたくさん詰まっていた。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ライフの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら