小宮山 宏・三菱総合研究所理事長、前東京大学総長--『課題先進国』の日本、先頭を走る気概を持て


--課題先進国の課題を解くことは経済成長にも結びつきますか。

新しい低炭素、エコ、高齢化、快適といったような街づくり、インフラ作りですからね。高度成長時代に高速道路を造ったのと同じだ。ここに膨大な投資が必要で、それが経済成長になるわけですよ。

--国が主導的に行うのではなく、むしろ各地域で誰かがそういう役割を担えばいいわけですね。

そうです。北海道と沖縄じゃ全然違うじゃないですか。この間、新潟から来た人が、新潟は東京より太陽電池の発電効率が高いって言うのですよ。ちょっと信じられないじゃないですか。豪雪地帯でどうしようもないと思いますよね。ところが、パネルを壁に貼るらしいのね。そうすると、太陽光が雪に反射して壁に当たる。それで、東京よりも効率がいいというわけですよ(笑)。

信じがたいが、そこに住んでいないと気づかないことがあります。地域別にやってみないとわからない、というのはそのことです。やはり、各地域の特性に応じたことをやることです。

日本は明治維新以降、欧米モデルを追っかけてきた。そのときは金太郎飴でよかった。でもトップに立ったのだから、自分たちの特徴に応じたものを作っていく。それを世界に示していくときだ。

(聞き手:鈴木雅幸(本誌編集長)、福田淳(本誌副編集長) 撮影:今井康一 =週刊東洋経済)

こみやま・ひろし
1944年栃木県生まれ。67年東京大学工学部卒業。72年同大学大学院工学系研究科化学工学専攻博士課程修了(工学博士)。2005年東京大学総長。09年4月から現職。専門は化学システム工学、地球環境工学、知識の構造化。


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