カシオ計算機は携帯電話端末事業をNEC、日立との新会社に統合、開発費や資材購入費の低減など狙う
いずれにせよ、今回の統合の背景に、成熟化した国内市場に8社ものメーカーが競合している状況への当事者たちの危機感があることは間違いない。カシオ計算機にとっては、強みの製品企画力を生かせる別の有望市場を模索していくほうが得策とみられ、今後負担ともなりかねない携帯電話端末事業を子会社から、リスクが限定できる持分法適用会社での運営に切り替えた今回の決断は評価できるだろう。
一方で、カシオにとっては成長戦略の見直しも必要だ。従来は高シェア、高収益の腕時計、電子辞書、電子楽器などで手堅く稼ぎ、デジタルカメラと携帯電話端末で規模拡大を追うビジョンを描いてきた。だが、デジタルカメラは同社が手掛けるコンパクト型の市場が成熟化しつつあり、さらに今回の携帯電話端末の新会社への統合で、成長ビジョンは不透明になりつつある。
樫尾和雄社長からビッグサプライズが発表されることを期待したい。
(桑原 幸作)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2009.03 518,036 4,016 -1,442 -23,149
連本2010.03予 460,000 7,500 2,500 1,300
連本2011.03予 490,000 17,500 12,500 7,200
連中2008.09 272,398 18,211 17,665 9,722
連中2009.09予 210,000 -2,500 -5,000 -5,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2009.03 -83.6 23
連本2010.03予 4.7 23
連本2011.03予 26.0 23-26
連中2008.09 35.2 0
連中2009.09予 -18.0 0
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