青息吐息の“出版旧体制”、デジタル時代の覇権は誰の手に?《アマゾンの正体》



議論が始まった独自プラットフォーム

他人がつくったプラットフォームに乗って“小遣い稼ぎ”のようにコンテンツを安売りするやり方に、危機感を持つ出版関係者は多い。

今年7月、日本雑誌協会は2011年度をメドに雑誌コンテンツをデジタル配信する共同プラットフォームを立ち上げると発表した。これはアイフォーンの隆盛、キンドル時代の到来を見越した、ある種の防衛策だ。「自前で配信のプラットフォームを用意しなければ、買いたたかれてしまう」(雑誌協会関係者)との恐怖が、背景にある。

「うちのデータセンターで請け負いましょう」--。共同プラットフォームのあり方について、多くの電機メーカーが出版社に対し、提案を持ちかけている。有力な案は、共通の電子ブック端末を投入し、中間業者を間に挟まない配信モデルをつくることだ。米国ではニューズ・コーポレーションやハーストなどの大手出版社がアンチ・キンドルを意識した専用電子ブックの投入を検討している。

「日本では個別の会社がやるのは難しいが、大手で連合し、そこに新聞社を加えることもできれば、アマゾンに対抗できるプラットフォームを生み出せるのではないか」(大手電機メーカー幹部)。

日本は実はデジタルコンテンツビジネスが独自の発展を遂げている先進国だ。こうした蓄積とうまく融合した地点に、出版ビジネスの新しい地平があるのかもしれない。

(週刊東洋経済)

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