過去最高!「Gショック」ブーム再燃の裏側 5万円前後の「大人価格」が売れている

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「男の世界」というより、「男の子の世界」。「サバイバル」「過酷な任務」「メカ」といった少年漫画のようなインパクトのあるイメージが広がっているが、こうした少年心をくすぐる演出は、男性ならば皆テンションが上がってしまうのではないか。本能を刺激しつつ本格仕様である点が、大人の男性の物欲を揺さぶるのだろう。

高級感溢れるメタル系も人気

16万円(税抜)と高額ながら販売好調の「MTG-G1000D」(撮影:尾形文繁)

スーツにも似合うメタル系モデル「MTG-G1000D」も、16万円(税抜)と高額ながら、昨年9月の発売以来、好評だという。熟練職人が揃う山形県の工場でほぼ手作業で組み立てられているという、高度な技術が詰まった逸品だ。海外の高級時計のようなビジュアルでありながら、前述の「空」と同様に3つの衝撃に強く、GPS衛星電波と標準電波を両方受信するなど最先端の技術を搭載し、タフネスとファッション性を両立させた。メタルと樹脂を組み合わせ、フィット性にも配慮しているので、フルメタルの時計よりストレスなくつけられるのも特徴だ。

1990年代のGショックブームを青春時代に経験した世代は、今や30~40代。「この層が身に付けられる大人向け商品を」という狙いと、「Gショックを改めて深く知ってもらいたい」という思いなどから、こうした高機能・高価格モデルのラインナップは強化されているという。しかし、これだけの技術進化には、ワケがある。1990年代のブーム終焉の教訓が背景にあるのだ。

一時はピーク(97年)の3分の1まで出荷数が落ち込んだGショックだが、今、90年代のブームを越える勢いで伸びている(2015年は計画値)

Gショックは、1983年に独自の「耐衝撃構造」をウリにデビューした。だが、国内では薄型の腕時計が流行しており、ゴツイ外観は時代錯誤に映ったようで当初は売れなかった。一方、アメリカでは大ブレイク。きっかけは、パック代わりにGショックを使ってアイスホッケーをするCMだ。あるテレビ番組が検証実験したのだが、本当に壊れないどころかトラックが轢いても壊れなかったため、全米で話題となり大ヒットとなったのである。

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