コロムビアミュージックエンタテインメント取締役名誉相談役・廣瀬禎彦(Part2)--セガに行ったのはアスキーへの100億円の増資のタイミングです

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--経営者はどういう存在だと思いますか。

CEOの一番の仕事は、最終的な判断を適切なタイミングでくだすこと。同時に、くだした判断に対するリスクを感じることです。リスクというものは、実は客観的なものではなく主観的なもので、持っている情報によって変わるんですよ。

情報量が多ければリスクは低くなります。判断すべきことに関する情報が十分であれば、リスクをとる納得性が出るので、少なくとも周りの人より適切な判断をくだすことができるんです。経営者は、いかに多くの情報を集められるかが問われますね。

--西さん、大川さん、中山さんの経営能力はいかがでしたか。

3人とも有能なスパイ網を持っていて(笑)、情報収集能力が高かったです。決断力という点では、それぞれ個性が出ますね。

西さんは1人で決定権を握っていたので好みで経営判断をされていましたが、大川さんと中山さんはお二人で1つの仕事のボスを務めていらっしゃいました。お二人でまったく違った判断をされて、決まらずに話が浮いてしまったりもしました。

トップが複数いるのはよくありません。複数いると対立か合意が発生し、合意も中庸な答えしか出てきません。誰か1人が決めて責任を持つということをはっきりさせておいたほうが、経営は納得のいく形になります。なにより部下が楽ですよ。

(写真:鈴木紳平)

ひろせ・さだひこ
 1969年慶應義塾大学工学部を卒業、日本アイ・ビー・エムに入社。凄腕営業マンとして数々の受注を獲得し、宣伝部長、事業部長を歴任し、アスキー常務取締役に転身。同社専務から、さらにセガ代表取締役副社長、アットホーム代表取締役社長に就任しネット業界を牽引。2004年1月には、コロムビアミュージックエンタテインメント代表執行役兼最高経営責任者(CEO)に就任。09年5月に同社取締役名誉相談役に就任。

■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・リクルートエグゼクティブエージェント主催のセミナー「Road to CEO」との連動企画です。

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