“匿名放談会”コンビニ加盟店オーナーのつぶやき--毎日悩んでます、コンビニ稼業はラクじゃない

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 しかしこれだけ長いことコンビニをやっていても、適正発注というのはまだまだ難しいですね。予測しているつもりでも外れることは今でもしょっちゅうです。いちばん難しいのは弁当類の発注ね。これはうちの従業員たちもみんな嫌がるので、ずっと私の仕事です。でも、夜のうちに私が終わらせて、朝のスタッフに見直しをさせています。それが彼らの勉強にもなりますしね。

本部の担当者の言うことは、最初はすべて受け入れますよ。「この新商品は思い切って100入れてください」と言われたら、「じゃあそれで棚を作ってごらんなさい。でもそれでダメだったら販促支援入れてくださいね」って。その代わり、完売したら私の負け。大抵余ることが多いですけどね(笑)。

彼らは大体1年~1年半で担当が変わりますけど、最近の子は以前よりも機械的になっている気がしますね。システム本位、成績本位。それでは、オーナーに意見を聞き入れてもらえませんよね。いろんな人がいますもの。「店よりもオーナーの性格を見抜くことが大切」といつも言ってやるんです。

●セブン−イレブンオーナー(50代)

7月にやった「セブン−イレブンフェア」は前年比95%くらいでダメだった。こういうフェアばかりやるから、肝心な商品の原価が安くならない。メーカーはフェアのほうにカネをつぎ込んだから、これ以上原価下げられないというでしょ。本部のバイヤーの交渉力が足りないのかもしれないな。

こうしたフェアのチラシや、歳暮・中元のポスター、パンフレットなどは、FC契約では無料で必要量を配布することになっている。以前はすべて無料だったのに、最近は枚数に制限がついて、それ以上必要な店は有償で追加することになってしまった。うちなんか買うほうが多くてかなわないよ。

うちの店は平均日販が100万円を超える。ということは、ほかの店より大量に発注しているのだから、その分仕入原価を安くしてくれてもいいと思うな。そのほうがよっぽど公平だ。セブンプレミアムなんて、イトーヨーカ堂に入れる原価のほうが安いんだ。その理由は、セブンは各店に小口配送しているからなんて言うけど、うちの店はケース買いしているのだから、ヨーカ堂と同じにしてもらいたいね。

(週刊東洋経済)
※タイトル写真は本文登場人物とは関係ありません 撮影:尾形文繁

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