スバル「WRX」は、雪道でもこんなにスゴい 4タイプの4輪駆動もトコトン乗り比べた

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現在の商品群は、第4世代プラットホームを採用したもので、まもなく登場する新型インプレッサからは第5世代へと進化する予定も控えている。自動運転、環境戦略なども盛り込むと目されている。もちろん、AWDは次世代でも核となる技術と位置付けられており、安全と基本性能の向上を目指すという。

”40代以上”の”クルマ好き”限定の話になるが、鮮やかなピンクで彩られた「STi」の文字には心が踊るはずだ。STiとはスバルテクニカインターナショナルの略。富士重工業のグループで、モータースポーツへの参画やパーツ開発・販売などを行っている会社のことである。かくいう筆者も、世界中のラリー・シーンを駆け巡ったブルーのボディカラーの「WRX STi」を両手をあげて応援した世代だ。

現役ラリードライバーの手にかかると

嬉しいことに、今回の雪上試乗で用意されたラリー競技用のハイスピードコースでは、ラリードライバーである鎌田卓麻選手の駆る「WRX STi」に同乗させてもらった。パーキングブレーキがフット式全盛の今日では珍しく、WRX STiのMT(手動変速)モデルには手で引くタイプのサイドブレーキが付いていて、これを使って、車体をくるりと回らせるターンができる。

「こんなスピードで曲がれない!」と目を覆いそうになる急カーブでも、現役ラリードライバーの手にかかれば、驚くほどのハイスピードで雪上を走り抜けていく。大げさな操作などせずにさっとクルマの姿勢を変えて、サイドブレーキを素早く引いて、瞬時にクルマの姿勢を変えてしまう。

鎌田卓麻選手の走った後には白い雪煙がさーっと立って、とにかくカッコいい。「オトコは黙ってサイドブレーキ・ターン!」に挑戦するのもいいが、とてもサイドブレーキをひくまでは……と思う人も多いだろう。

実は、以下のことさえ踏襲すれば、かなりスポーティな走りを堪能できる。第一に急なカーブの手前で十分に速度を落としつつ、ほんの少しだけブレーキをかけて、「ヨー」を作ってあげる。次に、きっかけづくり程度にハンドルを切ってやると、クルマが素直に鼻先を曲げていく。

ブレーキは重心を前輪にかけてやる程度で、踏みすぎないのがコツだ。ハンドルも切り過ぎないのがコツで、こちらも曲がるきっかけづくり程度で十分だ。スキーに例えるなら、エッジを立ててブレーキをかけた後、ストックをついて重心を前に移動させてやると、スーッと自然に曲がるのと同じ原理だ。

先ほど日常会話で使わないと宣言した「ヨー」だが、再び、出てきてしまった。運転の上達には欠かせない言葉なので、やはり説明しておこう。要は、クルマを曲げようとする力のことだ。この力を使えば、乗員に恐怖感を感じさせずに、かつスポーティな走りを楽しめる。雪上では、急な加減速や急なハンドル操作はご法度とされているが、速く走るときもそれは同じだ。

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