中央環状新宿線が開通 1兆円の投資効果は?
都心渋滞解消を狙い1991年に着工した巨大プロジェクト、首都高中央環状新宿線。池袋-新宿間が開通した。(『週刊東洋経済』12月29日-1月5日合併号より)
都心の渋滞解消の切り札になるか。
首都高速中央環状線の新宿-池袋区間(6・7キロメートル)が12月22日に開通した。1日約5万台の車両通行が見込まれ、ピーク時の渋滞は2割程度緩和されるという。
これに続いて2009年には渋谷まで延伸、さらに13年には品川線(渋谷-品川間)の開通が予定されている。そうなれば、文字どおり都心を取り囲むリングが完成するわけだ。用地取得などに手間取ったこともあり着工の遅れが懸念されるが、石原慎太郎・東京都知事は12月4日に行われた都議会定例会で「完成予定年を目指して最速のスケジュールで推進する」と意気込みを見せた。
中央環状新宿線はそのほとんどが地下30メートル付近に建設されたトンネル。品川まで全線が開通すれば18・2キロメートルが地下部分となり、道路トンネルとしては世界2位の長さになる。それだけに、最新システムによる万全の安全管理体制を整備。100メートル置きに設置した監視カメラは計160台。管制室(東京・永田町)には46インチの大型液晶モニターが12面も並び、24時間態勢で監視を行う。火災検知器や水噴霧設備などを遠隔操作するシステムも備える。これらシステム費には3億円を投じたという。
中央環状線の全線約47キロメートルが開通すれば、首都高の渋滞はほぼ解消される見込み。総事業費が1兆円を軽く超える巨大プロジェクトだけに、もくろみどおりの効果が得られるか、注目が高まる。
(書き手:梅咲恵司 撮影:梅谷秀司)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら