「トランプ大統領」はウォール街の悪夢なのか 今年の大統領選は不確実性の極み
[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米大統領選の共和党候補指名争いでドナルド・トランプ氏が勝利して、恐らく民主党候補になるであろうヒラリー・クリントン氏と11月の選挙で対決するとの見方が強まり、米株売りに走る向きが出てきた。
もしも動きが読めないトランプ氏が大統領になれば、世界的な貿易戦争が起こり、経済に打撃を与えて市場に大混乱を及ぼしかねないとの懸念が背景にある。
「トランプ氏は投資家にとって悪夢のようなもの」
ヘッジファンド運営会社シーブリーズ・パートナーズ・マネジメントを率いるダグラス・カス氏は「予測可能性が乏しい状況を市場が好むことはほとんどなく、トランプ氏は投資家にとって悪夢のようなものだ」と語り、共和党候補指名争いでトランプ氏が優位を保っていることなどから前週、米国株のショートポジションを積み増したことを明らかにした。
トランプ氏の企業や株式市場に関する発言を総合して考えても、必ずしもきれいに1つのイデオロギーに収まらず、世界が1つにつながっている現状にあって孤立主義を唱えているように見える。また突然、さまざまな問題で個別企業への批判も飛び出す。銃乱射事件の捜査をめぐって裁判所からのロック解除命令を拒否したアップル<AAPL.O>の製品ボイコットを呼びかけたのはその一例だ。