地下鉄の駅通路を有効活用するエチカ、地上と競合しない店づくり《鉄道進化論》

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 そんな池袋にはあまり似つかわしくない「空き地」があった。やがて副都心線の一部となる新線池袋駅とJR池袋駅を結ぶ地下通路。フットサルができるほどの広大さにもかかわらず、乗り換えが不便なため、平日でも閑散としていた。

これほどの立地を活用しない手はない。メトロは副都心線建設と並行し、06年から再開発に着手。事前の調査から百貨店は50~60代、サンシャインシティは10代が主な顧客層と知り、エチカは20~40代前半のカップルをターゲットに定めた。

表参道と異なる点は、顧客が百貨店の買い物に慣れていること。独自性がなければ、百貨店の品ぞろえに押し潰されてしまう。そこで、100種類以上のワインを楽しめるビストロ店や、日本初進出のジェラート店を導入し、全40店中21店を新業態とした。さらに、「既存業態でもオリジナルメニューや雑貨の開発を提案」(関連事業部・商業テナント担当の久岡祐子氏)し、エチカでしか手に入らない「限定感」を演出。有料トイレの設置や、パナソニックと協力した女性専用のパウダールームでは簡単なエステも体験できるなど、新たな試みも盛り込んだ。

(週刊東洋経済)

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