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山口絵理子・マザーハウス代表取締役--カワイイが変える途上国、27歳「劇場経営」の突破力【下】

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山口はネパールの次にはアフリカでも生産したい。5年後、10年後には、欧米にも数十店の直営店をオープンさせたい。が、シルク・ドゥ・ソレイユの成功が一人ひとりのクリエーターの質の合成物であるように、グローバル化には、「第2、第3の山口絵理子」が必要になる。

「人を動かすこと、変えること、育てること。モノを作るより全然難しい。何度も失敗しました。自分があと何人いたらいいな、と思うことは、何度もありました」

山崎は楽観している。「僕は20歳の山口を見ているから。スタッフはみんな可能性の原石。どうやって可能性に気づかせ、自信を持たせるか。もっとも、山口のようなリスクを負わせていいのか、とも思うが」。

2人が迷っているのが、上場問題だ。社会貢献への世間の関心の高まりを受け、まだ売り上げ2億円のマザーハウスに証券会社が何社も上場の勧誘に来る。山崎は今のところ否定的だ。「途上国の役に立ちたい、というのは僕らの主観。自分たちが正しいと思うことをやっているだけ。だけど、マーケットは極度に客観の世界でしょう。儲けてなんぼ。客観の世界で、僕らの主観がどう評価されるのか、見えてこない」。

山口も同感だ。が、違う思いもある。「企業として独り歩きしたいし、企業として闘っていきたい。そのスタンスを示すには、上場がいちばんいいんじゃないか、とも思ったり」。

山口の思いがマーケット=資本主義を変えるのか。それとも、マーケットに“消化”されてしまうだけなのか。「山口劇場」の幕は今、上がったばかりである。=敬称略=(了)

(撮影:梅谷秀司)

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