クロスカンパニー、一部上場前に大胆な決断

「アースミュージック」成功の次に何を狙う

新しく立ち上げたブランドの「AMERICAN HOLIC」。30代の女性を照準にしている

――2月末にも新ブランドを立ち上げましたが、どういう位置付けなのでしょうか。

「AMERICAN HOLIC」(アメリカンホリック)という、新規ブランドを立ち上げた。ワールドが多数のブランドを撤退し始め、オンワードやイトキン、TSIもリストラを進めている中、ショッピングセンター(SC)などのチャンネルが空き始めている。この潮目に乗らないといけない。今回立ち上げたブランドは、大手が撤退する有力なSCを目がけたものであり、30歳代の女性をターゲットにしている。

アパレル業界は、一般的にR&Dへの予算が少なく、売上高1000億円を超える大手が新ブランドを最近発表していない。そうした中、大手ブランドが撤退すれば、デベロッパーとしては、空いたテナントに出てくれる相手がほしいわけだ。われわれの新ブランドは、春だけで20店の出店が決まっており、かなり勢いがある。秋も全国からオファーが来ている。1年目で20億円を超えるスタートアップができるだろう。

ワールドは今のところターゲットでない

――今後のアパレル業界をどう見ていますか。

業界再編が起きると思う。老舗の大手アパレルは、経営者が60代から70代にさしかかっており、R&Dも投資額が低く、新しい事業を開発できていない。さらにわれわれやアダストリアのような新興企業が、大手からパイを奪っており、大手はどんどん斜陽になっている。ファーストリテイリングのような業界再編に手を上げないグローバル企業もあるが、われわれやアダストリア、ユナイテッドアローズなど、まだ国内比率が高く、勝ち組と呼ばれるところが業界再編の担い手になっていく、と僕は個人的に思っている。

われわれは主力事業の3割を投資に回すことを決めている。約10年間で25倍の成長ができたのは、積極的なM&Aや新規事業開発、長期的なテクノロジー事業への投資など、利益が出ている間にどんどん行っており、それが好循環に働いているからだ。勝ち組は多くのブランドを開発しているが、大手は新ブランドの動きがほとんどない。まさにR&Dが勝ち負けを決めている。

――ブランド撤退を進めているワールドの事業買収などはあり得ますか。

可能性はゼロではないが、具体的な話はない。ワールド自体がどうなるかわからない。ブランドを切り売りするか、地力でV字回復するか、また最悪のパターンもある。いろいろなことを想定している。われわれは上場も予定し、投資資金は潤沢だ。ただ、今のところ、ワールドはターゲットではない。

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