「営業」だった私がフィルムスクールを選んだ理由《ハリウッド・フィルムスクール研修記2》

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 スタジオ幹部を育てることを主とするUSC(南カリフォルニア大学)では映画ビジネスの授業の割合が多く、インディペンデント・プロデューサーを育てることを主とするAFIではフィジカルプロダクションの割合が多くなっています。どっちが良い悪いではなく、生徒もその特徴を認識しながら、自分の目的に合わせて学校選びをしています。

実は私も、留学を考えていた当初はビジネススクールを受験することを考えていました。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)やUSCのような総合大学では、映画ビジネスの授業をフィルムスクールとビジネススクールが共同開講しているケースが多いため、ビジネススクールでもエンタメビジネスを学ぶことができます。

ただ、ビジネススクールでは1年次はエンタメとは関係のないビジネス基礎知識の授業を履修し、2年次の選択科目でエンタメ系を取ることができる、というカリキュラム構成になっています。エンタメだけを学びたかった私の希望とビジネススクールは合いませんでした。実際、データ分析やマクロ経済を学ぶよりも、クリエーティブプロデュースやフィジカルプロダクションを学ぶほうが私には合っていると感じています。

MBAにはないフィルムスクールの強み

ところで、ドイツでは産業連盟が「ブロンバッハ・スカラシップ」と銘打ち、選抜で選ばれた企業幹部候補を映画製作・舞台製作に携わらせ、ビジネスマンとはまったく異なる価値観を持ったアーティストと寝食をともにさせるプロジェクトがあるそうです(COURRiER Japonウェブサイト2008/05/13)。

アーティストが芸術のために経済的なリスクも顧みず夢を実現させようとする姿を目の当たりにし、それまで安全志向だったビジネスマンの価値観が変わっていくとのこと。

私は企業幹部候補生などではありませんが、私が求めていたもの、フィルムスクールで経験していることは、まさにそれでした。

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