『脱「ひとり勝ち」文明論』を書いた清水浩氏(電気自動車開発者、慶應義塾大学環境情報学部教授)に聞く

--値段は安くなりますか。

太陽電池はまだ値段がちょっと高い。半分の値段に下がらなければ普及しにくい。半額になれば、設備を屋根につけたほうが電力会社から電気を買うより安くなる。そこに達するにはもう10倍太陽電池を作らなければいけない。

工業製品には「学習曲線」がある。その工業製品を10倍作れば値段が半額になるという法則だ。値段が2倍なら10倍作ると半額になり、自律的に普及が始まる。それには毎年1兆円投資することだ。

--太陽電池によるエネルギー供給が要の技術だと。

温暖化の抜本的対策にもなる。太陽電池ならば従来の95%のCO2が削減可能になる。

--自動車ももっぱら電気自動車にすると。

自動車でも、化石燃料を1次エネルギー源として、発電し送電し充電してモーターを回すと、そのトータルな効率は35%までいく。つまり元のエネルギーの35%が有効に使える。一方、ガソリンのみなら8・6%しか使えない。ほぼ4倍の差がある。

私は30年かけて八つのタイプの電気自動車を作ってきた。そして、今、リチウムイオン電池が生まれ、高性能インバーター用の優れたトランジスタができ、ネオジウム鉄磁石という強い磁石もモーターに生かせるようになった。省エネ、高性能化、長寿化にかなうこういう技術を、さらにどう合理的に組み合わせるか。これらは日本でしか開発できない先端要素技術だ。

--開発された試作車はガソリン車と外形が似ていますね。

そういう形である必要はないが、デザイナーに車の形をデザインさせると、こういう形になってしまう。だから、私が作ってきた車はすべて出来損ないだと言っている。誰が見ても車に見えるからだ。

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • おとなたちには、わからない
  • 子育てと介護「ダブルケア」の現実
  • コロナショック、企業の針路
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激震! 不動産<br>大荒れ市況を徹底分析

コロナショックが直撃したのは、ホテルや大都市に立地する商業施設です。一方、郊外の商業施設や物流施設は需要増に沸いています。分譲マンションやオフィスビルの先行きには不透明感が漂います。不動産業界における明と暗。その最前線に肉薄します。