『脱「ひとり勝ち」文明論』を書いた清水浩氏(電気自動車開発者、慶應義塾大学環境情報学部教授)に聞く


--普及の突破口は。

こういう車はいいなと誰かが思ってくれて、本格的にいっしょにやろうという人が出てきてくれることだ。あるいは政府がこれしかないと考え、大きな予算を投ずるか。1人乗りの自動運転車を開発しているが、バスを開発することになるかもしれない。そういう中のどこかで突破口を見つける。

工業製品はある水準にいくと爆発的に伸びる。生産量で言えば年間10万台作られるようになった時だ。自動車は一本の生産ラインで年10万台作るのが一つのユニット。年間10万台作るから、複雑な自動車が100万円ないし200万円で買える。もし電気自動車が10万台作られるようになったら、構造は簡単で部品の点数も少ないから値段はむしろ安くなる。あっという間に普及していく。年間10万台を誰かが作り始めたら7年後には車は電気自動車に替わる。レコードからCDに替わるときも7年、デジカメもケータイも7年だった。
 
(聞き手:塚田紀史 撮影:今井康一 =週刊東洋経済)

しみず・ひろし
1947年宮城県生まれ。東北大学工学部博士課程修了。米国コロラド州立大学留学。国立公害研究所地域計画研究所室長、国立環境研究所地域環境研究グループ総合研究官などを経る。30年間、電気自動車の開発に従事。2004年、8輪4人乗りセダンEliicaを誕生させる。


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