デブン・シャーマ スタンダード&プアーズ社長--格付けの独立性を強化、規制は国際的調和が重要

アナリストの任期制限や認証試験制度も導入

--日本や欧州における規制強化の方向をどう思うか。

われわれは、日本の金融政策当局がIOSCO(証券監督者国際機構)の「信用格付け機関の基本行動規範」を基準として、グローバルに調和した規制を志向していることに安心している。投資家はグローバルに活動しており、規制もグローバルに一貫している必要がある。欧州が導入しようとしている規制は米国のものとは多少違いもあるが、G20などの場で一貫性が確認されたことを心強く思う(日本では、登録制導入などの規制強化を盛り込んだ改正金融商品取引法が6月17日に国会で成立。来年中には施行が見込まれる)。

--発行体から手数料をもらって格付けを行う今のビジネスモデルでは、格付けが甘くなるなど、発行体と投資家の利益相反を招きやすい。

そうした疑念があることは理解している。おカネがやり取りされるところでは、つねに潜在的な利益相反の疑念が生じやすいものだ。

もし発行体が手数料を払うのではなく、特定の投資家が購読料を払うビジネスモデルにしても、今度は投資家が歓迎するような、発行体には厳しい格付けになるのではとの疑念を持たれるだろう。今のようにすべての投資家に無料で格付けを公開することができなくなり、透明性も低下する。手数料の出し手を変えることでは問題は解決できないのだ。

格付け会社を政府管理の公益事業にする形も考えられるが、これも自国のソブリン(国債)格付けを操作しかねないという問題が生じる。

どのビジネスモデルがベストかは、最終的には投資家が決めるだろう。重要なのは、いかに独立性やガバナンスの強化を通じ利益相反の問題をマネージするかだ。そのため当社は、利益相反を回避するための組織的な方針や手順を整備してきた。

--独立性強化の取り組みとは。

発行体や投資家などから利益相反やガバナンスの問題に懸念が生じた場合、問題の存在を明らかにするオンブズマン・オフィスを設置した。オンブズマンはすべてのクレームに対応し、問題があれば、マグロウヒル(親会社)のCEOと取締役会傘下にある監査委員会に報告する。

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