クックパッドは、なぜここまで愛されるのか 料理レシピサイトNo.1をつくる仕掛け
「おにぎらず」など全国的なブームもつくる
「クックパッドニュース」で紹介したことがきっかけで全国的なブームになった事例もある。昨年話題となったのが「おにぎらず」だ。ラップの上にのりを乗せて、真ん中にご飯を平たく載せ、さらに具材を載せて、のりの四隅を折って四角にして作るものだ。にぎらないおにぎりなので、おにぎらず。「とにかく簡単!作りやすい!」「いろんな具がはさめる」と人気となった。
今年これから大人気が期待されているレシピとして草深編集長が注目しているのが「スコップコロッケ」だ。クックパッド内の検索件数が伸びている。
馴染みのない料理名だが。これは「油で揚げない」「丸めない」コロッケのこと。通常は、コロッケを作るときと同じにふかしたジャガイモとひき肉を混ぜて種を作るところ、スコップコロッケは、種を丸めて揚げず、グラタン皿などに敷き詰めて、フライパンで炒めたパン粉を上にのせ、さらに、その上にオリーブオイルを少量かけて、オーブンで焼くのである。
この焼き上がったスコップコロッケは大きなスプーンなどですくって取り分けて食べる。すくって食べるケーキ「スコップケーキ」からもじって、「スコップコロッケ」とレシピ作者・「ち~sun」さんが名付けた。スコップコロッケは、おにぎらずと同様に「簡単で作りやすい」。油を使わずヘルシーだし、コロッケと同じボリュームなのに作る時間も短くて済む。
「スコップコロッケ」にブームの予感?
昨年ブームになった「おにぎらず」も検索が増えていくと、「今度は私もやってみよう」とレシピを投稿するユーザーが増えて、またそれを見た人が作って投稿するという流れとなり人気レシピとなった。いま、「スコップコロッケ」も検索数と同時に投稿数が増えており今年話題となることは間違いなさそうだ。
最近、生まれた新しいサービス「クックパッド 特売情報」も話題だ。自分の住んでいる地域のスーパーの特売情報が見られるという仕組みで、関連したレシピも併せて閲覧ができる。
特売情報は新聞の折り込みチラシ以上の情報が入ることがある。なぜなら、店員のリアルタイムな投稿を可能にしているからだ。例えば、突然の雨の日などには「雨のため卵を50円引きします」など最新に更新されたお得なクーポン情報などが入手できる。
クックパッドの業績を見ると、収益は右肩上がり。近年はスマホ化の波もあり、月額280円(税抜)のプレミアム(有料)会員が払う会員収入と広告収入が伸びている( iPhone、iPadアプリからのご登録の場合のみ金額が異なる)。
特に有料レシピはさまざまな便利機能が使えることで、会員数は約170万人に上っており、直近決算の2015年12月期は有料会員向け売上高だけで66億円と全体の4割以上を稼いでいる。
ネット上で、文字や写真を主体としたコンテンツの有料化では成功例が少なく、多くのメディア企業には、うらやましいかぎりだ。圧倒的な集客力を支えるさまざまなコンテンツとサービスの両輪が、この躍進を支えている。
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