「不本意」な非正社員の満たされない現実

望んでも正社員になれない人を減らせるのか

不本意非正規労働者でもっとも多いのは25~34歳です。大学や大学院を卒業後、一旦、就職したものの何らかの理由により早期に退職をし、その後、非正規雇用になった労働者が多いということが考えられます。

厚生労働省が発表した「若年者雇用関連データ」によると、2012年3月に大学を卒業した人のうち、3年以内に離職をした若者は32%に達しています。また、離職後にフリーターとなった場合の正社員への転職状況は、フリーター期間が半年以内であれば約64%ですが、フリーター期間が3年を超えると約49%になっています。

不本意非正規の状態を早期に解消するには、離職後いかに早く就職活動を行えるかどうかにポイントのひとつがあります。実際に採用の現場では、履歴書に非正規期間が長いとマイナスに働くことも少なくないようです。

簡単には引き下げられない正社員の労働条件

そもそも、企業にとって非正規労働者は人件費を抑制するだけでなく、仕事の繁閑へ柔軟に対応できるという意味で、言い方は悪いのですが「使い勝手のいい存在」にされてきました。

厚生労働省の「平成26年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によれば、総合労働相談件数は7年連続で100万件を超え高止まりしています。非正規労働者に比べると、労働法で手厚く守られている正社員に対する解雇やリストラ、賃金をはじめとした労働条件の引き下げは、企業にとって多くのリスクとそれに対する労力が必要となります。

たとえば、正社員の賃上げについても、固定的に支給する月例給はアップせずに、その後の調整が効きやすい賞与で報いる企業が多いのも、一度昇給してしまったら後に何か不測の事態が発生しても降給しづらいからです。経営上看過できないような問題を起こす社員いわゆる「問題社員」であっても解雇そのものに相当のリスクを伴うことも、正社員の比率を積極的に上げない理由となっています。

一方で、非正規雇用労働者の雇用期間は、一般的には6カ月や1年などで更新していく契約形態が多く、「雇い止め」や「賃金の見直し」が正社員に比べると起こりやすくなっています。

また、正社員の平均モデルでもある年功序列型賃金体系は、勤続年数とともに給与が上昇するのに対し、非正規雇用労働者は勤続年数に関わらず横ばいを続けることが多い傾向にあります。その差は年齢が高いほど開きは大きく、たとえば、45~54歳の層では、年収が正社員の半分以下にまで開いています。65歳までの雇用継続義務が課せられている現状では、若い世代を正社員として採用する門戸が狭いままです。

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