偏差値29から東大合格!常識破りの勉強法 競争を制す人の「4つのやり方」

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常識破り② 問題を解くとき、まるごとノート1枚を使い発想を広げる
「偏差値29→東大薬学部」「開成→東大医学部」の夫婦が教える受かる技術』(杉山奈津子、タケ氏著、KADOKAWA刊)。科目別の必勝法、脳科学的暗記術、参考書・問題集の選び方など、126のノウハウを掲載している。上の画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

数学の問題を解く際のノートは、前のページに余白があっても次のページを開き、1ページまるごと使ってみるのをお勧めする。その方が、答えを導くための方法や図を遠慮なく書けるのだ。

たとえば「会議の企画を書け」と言われたとき、メモ用紙1枚とルーズリーフ1枚のどちらを渡されたら、より沢山のアイデアが浮かぶだろうか? 脳内の発想の広がりは、紙の大きさに比例する。そうして出てきた沢山の選択肢の中から最も適切な式を選び出していくことが、本番での思考力にもつながるのだ。

これは東大の入試にも通じる。東大の数学は殊に難解なことで有名で、理系はたった6問に対し2時間半をかけ、2問解けば合格できると言われている。答案用紙は、罫線もない真っ白な大きな紙が2枚も渡され、しかも裏表を使う。広々とした紙の上でなければ多様な発想を生み出せず解けない、ということである。

「無駄な労力」を極力省く

常識破り③ 机の上は片づけなくていい

頭のよい人の机はビシッと綺麗に整頓されていそうだが、そんなことはない。かの有名なアインシュタインやスティーブ・ジョブスでさえ、机の上はぐちゃぐちゃだったと言う。私は、よく使う参考書や問題集は、机の上か、机のすぐ下の床に置いていた。使うたびに片づけるのは時間の無駄だし、問題を解いている最中にいちいち本棚に向かうことで意識がそがれ、集中力がとぎれることも頻繁にある。片づけが思考の妨げになるとすれば、何もメリットがない。

さらに、就寝前にやりかけの問題集を片づけず、あえてそのまま机上に置いておいた。そうすることで、次の日すぐに行動にうつせるからだ。たとえば、パソコンをつけても、すぐにやるべき作業を始められる人は稀だろう。なんとなく、ニュースや動画を見てしまったことはないだろうか? しかし、やりかけのワードの書類を開いたままスリープ状態にしておけば、起動と同時に自分のすべきことがパッと目に入るので、他のものに気を取られる前に行動できるのだ。

常識破り④ 消しゴムで消さない

また、普段の勉強では消しゴムを使っていなかった。安いノートを大量に買い込み、そこに教科や罫線も関係なく計算式や単語を書き殴っていた。長い計算式を間違えたとき、消しゴムで消すとなると結構な時間がかかる。しかし、ただバツをつけてしまえば一瞬で終わりだ。そしてその下から再び書き直せばいい。暗記するにしろ黒板をうつすにしろ、ノートを綺麗に書こうとすることに全く意味はない。そんなことに時間を使うなら、1つでも2つでも、多くの単語を覚えた方が成績アップにつながる。ノートは、自分さえ読めれば充分なのだ。

 大学受験は、人生でたった1度しかない。時間がなく勉強法をおろそかにしがちな受験生のために、親が効率的な勉強法を教えてあげるのも合理的だ。私たちが実践した「効率的な勉強法」はまだまだ沢山あるので、ぜひ参考にしてもらえたらと思う。

杉山 奈津子 作家、イラストレーター

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すぎやま なつこ

静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業。作家・イラストレーター、心理カウンセラー。中学時代、うつ症状を発症し、大学卒業後は実家にて休養生活を送る。その後、病状は回復し、現在は執筆活動や講演活動を行っている

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