揺れる日本興亜損保、大株主、OBが批判
一方、株主総会を経ても役員OBらの怒りは収まらない。「新旧社長の確執というより、問題は今回の経営統合。絶対承認できない。OBら誰一人に相談がなかったどころか、その後も会おうとしない。兵頭社長自身の保身ともいえる行動は目に余る。取引先も含め、メインバンク(日本興亜は三菱UFJ、損保ジャパンはみずほ)にもねじれを引き起こすような経営統合は日本興亜にとって大きな損失だ」と話す。今後も統合阻止へ動きは止みそうにない。別のOBは「サウスイースタンは統合発表後、再度、兵頭社長続投にノーを突きつけているが、統合ではなく単独であってもかまわない姿勢を見せている。ほかにも、提携先の候補はあるのに、今回の選択は失敗だ」。
日本興亜の筆頭株主であるサウスイースタンは、損保ジャパンの筆頭株主(約7・5%保有)でもある。損保ジャパンに対して協力的な姿勢をみせているものの、日本興亜との統合に固執してはいない。だが唯一、聞く耳を持たなかった兵頭社長の続投に反対しているから複雑だ。
他の大株主らは、12月の臨時株主総会でどういう結論を出すのか。日本興亜の前身である旧日本火災と同じく、川崎財閥の流れをくむ地銀などの株主が反対する可能性もあり、経営統合に向けてまだまだ紆余曲折がありそうだ。
(木村秀哉 撮影:今井康一 =週刊東洋経済)
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